あるところに

あるところに
ゆびづのをもつ子鬼が住んでおりました
子鬼は蜻蛉が好きでした
里の童が
その指先で 蜻蛉をとらえる方法を知ってからというものの
子鬼は何度も試すのでした
しかし一向に蜻蛉はそのか細く白い指先に
羽を休めてはくれません
よっぽどよい止まりゆびが
他にあったのかしら、

子鬼はいつもため息をつきながら
くらい小山にかえってゆくのでした




めでたし めでたし

ああ
愛で難し


なんつーか鬼がすき

おにに