金魚とはにんげんのためにうつくしくなつた魚であつた。 あるところに 少年が居た 少年は金魚に成りたかつた 金魚といふものは夜を翔ぶ酷く美しいさかなのことであるそんなことを嘯いたみみに届いたものは ある小唄の一節であつたふかい闇に住めぬかと あま…
あるところに ゆびづのをもつ子鬼が住んでおりました 子鬼は蜻蛉が好きでした 里の童が その指先で 蜻蛉をとらえる方法を知ってからというものの 子鬼は何度も試すのでした しかし一向に蜻蛉はそのか細く白い指先に 羽を休めてはくれません よっぽどよい止ま…
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